くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「どうせ一緒の通学路じゃん。なに、俺がいたらなんかまずいわけ?」
野島はいけしゃあしゃあと言うけど、絶対に何もかも分かってわざとなんだ、この根性悪男は!
「だから……誤解されるでしょ! あんたなんかと一緒に登校したら!
ただでさえ同じ屋根の下であらぬ誤解を受けてんだし」
あたしは怯まずに腰に手を当て臨戦態勢を整えてから一気に言い放った。
だけど、野島から返ってきた答えは。
「別にいいじゃん、俺と瑠璃香はもう他人じゃないんだし♪」
「アホ言うな~~っっ!」
あたしは詰まって重くなったカバンを思いっきり振り回して野島の頭をど突いた。
「お~~お、朝っぱらから夫婦喧嘩してくれちゃって。ご馳走さま!」
野島を殴ってると、いつの間にか迎えにきてくれた親友である亜美の声が後ろからした。
あたしは一瞬で、しかも全力で否定した。
「だ、誰が夫婦よ! こんなヤツと結婚するわけないでしょ! それならまだ龍とした方がましだって」
「はいはい」
いつもながら亜美はあたしの話なんか聴いちゃいないし。
「でも、龍と言えば、『くるうみ』の相手が決まるのいよいよ明後日だよね。あたしの相手は誰かドキドキするな」