くるうみ。~あなたと過ごした3日間~







「野島くん、お、おはよ」


「……ああ、おはよ」


野島が面倒くさそうに適当に返しただけで、その女の子は顔を真っ赤にして逃げてった。

隣のクラス、2組の子か。


バン、と野島の背中にカバンが飛んできたけど、結構な勢いでぶつかってもやつは全然よろめいたりしない。


「おっはよ、野島! 相変わらずいい足腰してんな。早くうちのサッカー部に入れよ」


上級生のサッカー部マネージャーまで野島に気軽に挨拶するようになったし。


「いえ、俺はバイトがありますから」


いくら熱心に誘われても、野島は眉一つ動かさずに即断る。

レギュラーになると誘われても、いつもバイトを理由にすげなくするんだよね。


「お、野島! はよ~。なあなあ、昨夜さあ」


野島が教室の入り口にさしかかった途端、同じクラスの軽井沢がヤツに早速絡んできた。


その間にも野島に話しかける人間後を断たず。


なんでこうなったか……


それは、野島がダテメガネを外して本来の自分を出すようになったからに他ならない。


もともと野島はめちゃくちゃ頭がよくて、先週行われた期末では突然学年トップになったし、体育のサッカーではひとりで10点をたたき出す実力を見せたんだもん。

それに、めちゃくちゃイケてる外見。これで放っておかれたらおかしいよね。
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