くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「よかったね、モテモテじゃん。軽井沢とでもいいから付き合ったら?」


あたしが横目で呆れた視線を送りながら言うと、「え、 マジいいの?やった! 野島くぅ~ん、カノジョの許可もらえたよん」


軽井沢がふざけてくねくねと絡みつくと、野島のゲンコツが容赦なく彼の頭に命中した。


「絡むな、暑苦しい」


「いやあん、ヒドいわぁん! 勇人クンたら」


アホやってる2人は放っておいて、あたしはお弁当が無事なのを確かめてホッとする。


ここのところ野島のせいで周りが騒がしくなったから、どさくさに紛れて二回もお弁当がなくなった時があるから。


ランチタイムは勉強が苦手なあたしにとって学校生活における安らぎの時間だもん。


今日は何かなあ? ジャガイモがあったから、ポテトサラダかコロッケかな?


授業中も中身が気になって3回も注意されたけど、あたしにはお弁当の方が大事だからまたニヤニヤと笑っては終いに廊下に立たされたりもしたけどね。
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