くるうみ。~あなたと過ごした3日間~






やった! 午前最後の授業が終わるベルが鳴ったと同時にあたしは自分の席に飛んで、反省の色がないと先生にこってり絞られた。


でも、いいもんね!


あたしは弁当袋をいそいそと出して、先にランチバックを広げてた亜美の席に行こうとして……野島が席を立つのが見えた。


ヤツの手にはお母さんが持たせたお弁当の箱。


いつもならうるさがっても軽井沢とかと一緒に食べるんだけど?


……誰かよその人と?


その可能性を考えた瞬間、なぜかチクンと胸に痛みが走った。


あり得ない話じゃない。


野島はつっけんどんにしてるけど、ここ最近はあたしの目の前でもあからさまに誘いをかけてくる女の子もいる。


みんなかわいい女の子ばかりだし、野島だって男だし、嬉しくないわけないよね。


……でも、あたしには関係ないはずじゃん。


野島が誰と付き合おうとヤツの自由だし、あたしがどうこう言う権利なんかない。


あたしと野島はただのクラスメートで、同じ家に住んでるだけ……。


……そう、それだけなんだよ。


なのに……


なんでこんなに胸がもやもやとしてすっきりしない気分になるの?
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