くるうみ。~あなたと過ごした3日間~



あたしはいても立ってもいられずに、亜美にごめんと謝ってから野島の後を追った。





野島は階段を下りてげた箱のある裏口を出ると、中庭にある林に向かった。


足音に気をつけながら追ったあたしに、まさかまさかという思いが膨らんでく。


中庭の林はちょっとした死角になってるから、学生のカップルがよく逢うのに利用するスポットになってるんだよね。


あたしは見たことないから知らないけど、噂だとけっこうすごいコトもしてる時もあるみたい。


………


やだ。勢いで着いてきちゃったけど、もし野島がそんなコトをしてる場面に遭遇したら。


思わず想像しそうになって、慌てて頭を振った。


いや、大丈夫!


……たぶん。


根拠のない自信を支えにドキドキしながらつけてくと、野島が着いた先は……もう使われてない木造の物置小屋。


野島は扉に手をかける前にきょろきょろあたりを見回してから、誰もいないと判るとホッとしてからにやけた顔になった。


「待たせたな、入るぞ」


先に声までかけて……


なんか……めっちゃヤバい雰囲気じゃない!?


本当に恋人に密会しに来た男に見えるよ。
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