くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
野島は中に入ると、扉を閉める時までご丁寧に周りを確認してたし。
興味というか、好奇心というか、それに似てたけど、なぜかちょっともやもやした気分が強くなる。
ここまで着けてきたものの、あたしはいったい何の為にこんなコトをしちゃったんだろ?と自分で自分を問いただした。
野島が誰と付き合おうと関係ないし、あたしには奴のプライバシーに立ち入る権利はない。
あたし達はただのクラスメートで同居人なだけなんだから。
そうよ、あたしはここで何をしてるのよ。
普通に考えておかしいじゃん!こんなコソコソと野島の後をつけたりして。
やめやめ、バカらしい!
あたしはそのままきびすを返して林から出ようと足を踏みだした。
けど、その瞬間に野島の笑顔が頭に蘇って、胸がチクンと痛んだ。
あの笑顔を……今野島は誰かに向けてるんだ。
あたし以外の人間に。
3歩目で足が止まる。
……なんか、やだ。
胸のもやもやが熱を持ち始めてあたしの心を焼き始めた。
いったい何を話してるのよ!?
あたしはいても立ってもいられずに小屋に近づいたけど、壁が意外と厚いのか話し声や物音が聴こえない。