くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
自分でもどうしようか悩んだけど、覗ける場所が見つからないから、聞き耳を立てる。
「しょうがないじゃない、野島に彼女がいたらうちに招待する可能性があるから……事前に知るための調査なんだからね!」
誰も聴いてやしないのに、あたしはぶつぶつと独り言を言いながら聞き取りやすい場所を見つけた。
後ろめたさはあるけど、それよりも何か言い知れない怒りがあたしを動かす。
小さな窓のそばは板しかはめ込んでないから、足音や話し声全てがリアルに伝わってきた。
ごくりと息を呑み、耳をそばだてて神経を集中し壁越しに聴き入った。
「ほら、今日はコロッケだぞ。おまえ好きか? 半分こする……あっと、わかった、わかった。おまえだけ食えよ。
うまいか? そうか、うまいか。
次は鮭……うわ! 今分けてやるからそんなに焦るなっての! わああっ!」
野島の愉しげな笑い声が聴こえて、オマケにお弁当を誰かと仲良く分け合ってるみたい。
ムカムカしながら聴いてると、野島はさらに甲高い声で叫ぶ。
「ぐえっ! 乗っかるな……いくらおまえも好きだからってな。
やめれ! 舐めるなっ……くすぐったい……っ!」
「しょうがないじゃない、野島に彼女がいたらうちに招待する可能性があるから……事前に知るための調査なんだからね!」
誰も聴いてやしないのに、あたしはぶつぶつと独り言を言いながら聞き取りやすい場所を見つけた。
後ろめたさはあるけど、それよりも何か言い知れない怒りがあたしを動かす。
小さな窓のそばは板しかはめ込んでないから、足音や話し声全てがリアルに伝わってきた。
ごくりと息を呑み、耳をそばだてて神経を集中し壁越しに聴き入った。
「ほら、今日はコロッケだぞ。おまえ好きか? 半分こする……あっと、わかった、わかった。おまえだけ食えよ。
うまいか? そうか、うまいか。
次は鮭……うわ! 今分けてやるからそんなに焦るなっての! わああっ!」
野島の愉しげな笑い声が聴こえて、オマケにお弁当を誰かと仲良く分け合ってるみたい。
ムカムカしながら聴いてると、野島はさらに甲高い声で叫ぶ。
「ぐえっ! 乗っかるな……いくらおまえも好きだからってな。
やめれ! 舐めるなっ……くすぐったい……っ!」