くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
吐きそうなくらいに胸が苦しくて、押しつけてるそれも気にならない。
野島は温かいや……
野島に体を寄せてると、気分の悪さも鎮まってきた。
あたしの背に回されていた野島の腕に、ゆっくりとだけど力が籠もってった。
抱きしめてる……?
まさか、それはあり得ないよ。
いくら人がいい野島でも、あたしになんて100%ないから。
ぐいっと抱き寄せられて、息苦しさを感じるほど抱きしめられたって、あたしになんて。
「鈴本……」
ため息に似た囁きで名前を呼ばれても、気のせい。
あたしたちはただのクラスメートで、同居人なだけなんだから。
うぬぼれちゃダメだよ。
水から上がったあたしはすぐ保健室に連れられてったけど、なぜか野島は着いてこない。
いいよ、あたしたちは何ともないんだから。
そう自分に言い聞かせたのに、なぜこんなにも悲しくなるのか、寂しくなるのか、胸が痛くなるのか。
自分でも解らなかった。
「野島勇人のバカ……バカ野島」