くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
第3話 逸れる視線

~野島の……






ええっと、ニンジンをすりおろしてから挽き肉に入れて……玉ねぎはできるだけ細かく……っと。

パン粉は何グラムだっけ?

あ、つなぎの卵忘れてた!


卵焼きにはチーズ入れて、サラダにはマカロニ入れなくちゃ、そろそろ茹でないと!





朝5時――。


あたしは約束のお弁当を作るために台所を駆けずり回ってた。


お母さん達が朝ご飯をつくりだすのが6時からだから、その前に終わらなきゃいけないし、まだ慣れないから朝4時起きで眠い目をこすりながらレシピとにらめっこして材料を揃え下ごしらえした。


材料とレシピはひとまず自分のお小遣いで買った。


実験的な意味合いもあったし、自分で勝手にやるんだから親からお金をもらうのは悪いからね。


もしうまく作れたらそれ以降は材料費だけはもらわないと懐がピンチだし。


あ、そうそう。


野島は学校が終わった5時から夜10時までスーパーのアルバイトを始めたから、その間にお腹空くだろうし、お弁当とは別に何かつまめる軽食も作った方がいいかな。


夏だから常温でも傷まない腐らない溶けないもので、腹持ちがいいサッと食べられるものは……と。
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