くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
亜美の口がいつも以上によく回る。


亜美の表情がよく動く。


心にもない事を言う時のクセだ。


亜美は嘘をつくときこそ視線を逸らさない。


睨みつけるみたいに力を込めて見る。


だから……。


あたしは亜美の背中に両手を回して、ギュッと抱きしめた。


「……わかった。亜美は特に先生を好きじゃないんだよね?
ごめん……ちょっと勘違いしちゃった」


「そうだよ……あたしが先生を好きになるはずないって。
そう誤解させちゃう態度取ったかもしれないけど、絶対絶対絶対に違うんだよ。……絶対……違う」


「うん、わかった」


亜美の声が震えて湿り気を帯びてくる。


「絶対……好きなんかじゃない……あたしは違うもん。あたしは先生なんか好きにならない……なっちゃいけないんだから」


「わかってる……あたしはわかってるから」


亜美の体が震えて、温かい滴が肩に落ちてきた。


亜美の声を押し殺したすすり泣きに、あたしはいつまでも付き合った。


……神さま。


龍神さま。


どうか、あたしの大切な親友の亜美を助けてあげてください。


せめて、亜美の心が平和に穏やかになりますように。
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