くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
男の子はお母さんに駆け寄って、抱きしめられながら一緒に泣いてた。
男の子が無事で良かったけど……。
野島は南高の3人に連れられてお店から出て行った。
店内に静寂が戻り、みんなホッと息を着いてた。
かくいうあたしも安堵して、緊張感が解けたからか足の力が抜けその場で座り込んでしまった。
「すごかったね。瑠璃香、本当にごめん……あたしがペンダントさえ放り投げなきゃ」
亜美が謝ったから、あたしは乾いた笑みで大丈夫と強がって……。
「あああ~~っっ!」
素っ頓狂な叫びを上げてしまいました。
ペンダント!
そういえばペンダント!!
すっかり忘れてたああああ~~っっっ!
「亜美、ごめん! あたし行ってくる」
「え! ちょっと、瑠璃香。危ないよ!」
亜美の制止も聴かず、あたしはガラス戸を開けて猛然とお店から飛び出した。
やっぱりなくしたくない!
曾おばあちゃんの形見の大切なペンダント。
あたしが生まれるはるか昔から曾おばあちゃんの胸元を飾り、曾おじいちゃんと出逢わせたという不思議な石。
あたしにはまだその重みは理解できないけど、きっといろんな想いが詰まってる。