くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
今日は亜美も家であたしが来るのを待っててくれた。
やっぱり昨日気持ちをぶちまけてすっきりしたんだろうな。
けど、それにしたって、亜美の私服はすごい念の入れようだった。
余計な装飾が一切ない淡いグリーン地のボレロ付きツーピースアンサンブル。
スラリとしたスマートなシルエットで、膝丈のタイトスカートがかなり大人っぽい。
靴なんか今まで一度も履いたことがないヒール丈5センチもある白いパンプス。
いつもは結んでる髪もアップにして緩く編んでるし、イヤリングまでつけてた。
いつもは少女趣味なふんわりとしたピンクやフリルが好きな亜美のあまりの変身ぶりに、あたしは思わず目を丸くした。
「……あの、つかぬことをお伺いしますが、本当に望月亜美さんですか?」
なんて思わず訊いちゃうくらいに驚いたのなんの。
「やだ、なに言ってるの。もちろん望月亜美に決まってるでしょ、あんたの友達で幼なじみの大親友。可愛くて美人で優しくて……」
「こらこら、いくら見間違えそうだからって、調子に乗らないの!」
亜美が自画自賛し過ぎだから、あたしは軽く小突くふりをして拳を亜美の額に当てた。