くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「そう来なくっちゃ! 任せて、あたしが選んだげる」
そう決まれば亜美はがぜん張り切りだした。
タンスやクローゼットを開いてあらゆる服を取り出す。
「う~~ん、ワインレッドのカクテルドレスなんて大げさだよねえ。
だからって浴衣なんてまだ……」
「浴衣、あるの?」
他は亜美の体型に合わせた細身なデザインばかりだから、明らかにふくよかなあたしには入らないけど、浴衣だったら多少横幅があっても調整できる。
「あるよ。ほら、中学の時に神社の夏祭りに着てった朝顔柄のやつ」
「じゃあそれ借りていい? 他に合うサイズないし」
まあ恥ずかしくはあったけど、仕方ないよね。亜美とあたしのウエストサイズは10センチも違うんだから……。
うう……本当に痩せなくちゃ。
「うん、なら急いで支度しなきゃね。お母さん、瑠璃香の着付け手伝って!」
亜美のお母さんの手まで借りて大急ぎで着付けてもらった。
浴衣は振り袖より簡易とはいっても、やっぱり専用の下着とかたくさん用意するものもある。
それでも亜美のお母さんはお茶をやってるせいか手慣れたもので、20分もあれば着付けだけじゃなく髪まで整えてもらえた。