くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「取材ついでの経費って事で、好きなもの3つまで買っていいわよ」
美紀さんが珍しく太っ腹な様子を見せた。
「え、本当!? やったあ」
実を言うと、あたしの懐はかなりピンチ状態だったりした。
昨日と今日のお弁当の材料費だけで3分の2は消えたから、夏休みももうすぐ始まるのにかなり懐が寒い状態。
だから、遊びたいけど我慢しなくちゃいけないのはかなりつらいと思ってたんだ。
「なら、射的とか海ほおずきとか金魚すくいもいい?」
食べ物も頭をよぎったけど、せっかく露店がこれだけあるんだし、時間はたくさんあるからいっぱい楽しみたくて思わずわがまま言っちゃった。
気分まで小学生になったのかも。
「あらら、ちゃっかりしてるわね。
いいわよ、これで好きに遊びなさい」
小さく息を着いた美紀さんが財布から取り出したのは、なんと5000円札!
あたしの1ヶ月分のお小遣いと同額のそれを見たら、まぶしすぎてなんかクラクラしてきた。
……と。
かなり離れてた野島の口から、意外な言葉が飛び出た。
「……モデルのアルバイトで幾らくれる? それ次第で考えてもいい」