くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
美紀さんはなんかすごく愉しげに言うけど、なんか企んでるよねこの人は。
「何でしょう」
野島は抑揚のない声で言う。
「そんな怖いカオしなくても、何も命をくれとか言うんじゃないわ。
強いて言えば、瑠璃ちゃんと恋人みたいに仲良くして欲しいってこと」
え?
ええっ……
どえええっ!?
美紀さんが提案したとんでもない条件に、あたしは硬直しそうになる。
美紀さんだって町道から神社に来て今までの間、野島があたしを完璧にシカトしてるのは見て解ってるはずなのに、なんでなんでそんなことを言うの!?
美紀さんの意図がわからないけど、それよりもあたしは野島の反応が気になってやつを見上げた。
野島は……
感情を抑えた顔で美紀さんをまっすぐに見る。
「なぜですか?」
すぐには拒否しない意外さもあるけど、野島がそう疑問を持つのも解る。
こんな最悪な仲のあたし達を撮ってはマイナスにしかならないと思うんだけど。
すると、美紀さんはにっこり笑ってこう答えてくれた。
「写真ってのはシャッターを押せば撮れる。たとえそれが猫でもね。これはわかるわね?」