くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
バカ……本当にバカだよ、あたしは。
何を期待するわけ?
あたしは野島と何の関係もない、そう自分に言い聞かせてきたのに。
実際にそうで、居候とクラスメートという接点以外は何にもいえない。
友達にしても微妙に違う。
もちろん恋人なんかじゃない。
家族でもない。
知人には該当するだろうけど、それにしても何かが違う。
……あたしは野島の何なんだろう?
野島に抱いてる感情……
もしかしてそれは限りなく恋に近いものかもしれない。
だけど、「好き」というひとことでは片付けられない気がする。
「愛してる」か?……それはわからない。
初恋は明石先輩だったし、先輩には明確に振られたけど、好きとは言えても愛してるまでは思えなかった。
家族への愛、友達への愛……。
まだたかだか16年しか生きてないあたしは、愛してると言えるほど熱烈な恋はした事がない。
だから、野島への気持ちが愛なのかなんて判別がつかないのが正直な気持ち。
だけど、わかるのは、野島のそばに女の子が居ると自分がイライラして黒い炎が胸を妬くということ。
誰も野島を見ないでよ!
今だって由美ちゃんにそう叫びたかった。