くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
それは異性とか関係なしに、素朴なアイツの人間性にただひととして惹かれた、だけなのかもしれない。
あたしの想いは恋とは違うかもしれない。でも嫉妬をしてしまう厄介な気持ち。
いったい何なんだろう?
あたしにとって野島はなに?
野島にとってあたしはなに?
永久に答えが出ない堂々巡りの思考の最中、髪の毛が引っ張られてクイッと首が変な角度に曲がった。
ポキッと変な音がしたしっ!
「ちょっと、なにするのよ!」
自分としては真剣に悩んでたのに、こんなふざけたイタズラをされてムカッときたあたしは振り向いて噛みつくと……。
そこにいたのは、紺色の浴衣を着てあたしの髪の毛を掴む野島 勇人だった。
「うわ、鈴本こえぇ! 角が生えてやがる」
野島はそう言ってどこから持ってきたのかコンパクトミラーであたしの顔を映したからチラッと見れば、本当にあたしに角が生えてる?
わけがなくて、それは野島があたしのアタマの後ろから指を突き立ててるだけ。
ムカッときたあたしは、野島の足に体重をかけてぎゅうと踏んだげた。
「いでででっ! 足の骨が粉々になった~!」
大げさに騒ぐヤツをポカンと殴る。