くるうみ。～あなたと過ごした３日間～

人間は外見じゃない、っていうけど、やっぱり可愛いかったり美人な女性は得な事は確かで。


16年間しか生きてなくたってそれくらい解る。


山潮の人たちは割と外見にこだわらない気質だけど、テレビやインターネットやマスコミに影響された若い人たちはそうもいかなくなってる。


古いとか言われても、あたしは昔ながらの山潮が好きだった。


でも、今は……。


繋いだ手にほんの少しだけ力を籠めた。


その先には勇人が優しい目で見守っててくれる。


勇人はあたしを外見で否定したりはしなかった。


ちょっとおデブちゃんで髪も短くて、そばかすもニキビも悩みなあたしに……家族になりたいって言ってくれた。


勇人の本気に心が震えた。


彼だったら信じて着いていける。


まだ恋とか愛とかわからないけど、あたしも勇人のそばに居たいと思ったんだ。


だけど、まだ答えてあげない。


あたしを不安にして寂しくさせた罰だよ。


あたしの気持ちはしばらく教えてあげないんだから。


焦らして焦らして……思いっきり焦らしてあげる。


今度は勇人からあたしを求めて欲しいもん。