くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
階段を登りきった後、美紀さんが追いかけてきた。
「縁日で遊んでもらう前に寄りたい場所があるんだけどいい? 時間はかからないから」
「あたしはいいけど、勇人は?」
うわ、改めて呼んでみるとこそばゆくて恥ずかしいなあ。
なんてあたしは照れたんだけど、勇人はなぜか押し黙ったままあたしじゃなくよそを見てた。
勇人の視線の先にあったのは、鳥居を通り越して神社のお参りする拝殿。
「あら、野島くんはよくわかったわね。
神社の宮司さんに龍神伝承についてのお話しを伺えるように手配してあるから、ちょうどいいかなって。一応30分間だけの取材だから……いい?」
美紀さんが時計を気にしながら訊いたから、あたしは勇人の顔を覗いて答えを促した。
「わかりました、行きます」
勇人はそう答えたのだけれど、どうも気が進まない様子だなあ。
それでもあたしに気遣って返事してくれたから嬉しい。
なんて、今まで冷たかったぶんちょっとした事にいちいち感動してしまう単純なあたし。
いいもん!
単純でも何でも幸せなんだから……。
そう、あたしは今幸せなんだ。
勇人がそばに居てくれるだけで、こんなにもあたたかいから。
「縁日で遊んでもらう前に寄りたい場所があるんだけどいい? 時間はかからないから」
「あたしはいいけど、勇人は?」
うわ、改めて呼んでみるとこそばゆくて恥ずかしいなあ。
なんてあたしは照れたんだけど、勇人はなぜか押し黙ったままあたしじゃなくよそを見てた。
勇人の視線の先にあったのは、鳥居を通り越して神社のお参りする拝殿。
「あら、野島くんはよくわかったわね。
神社の宮司さんに龍神伝承についてのお話しを伺えるように手配してあるから、ちょうどいいかなって。一応30分間だけの取材だから……いい?」
美紀さんが時計を気にしながら訊いたから、あたしは勇人の顔を覗いて答えを促した。
「わかりました、行きます」
勇人はそう答えたのだけれど、どうも気が進まない様子だなあ。
それでもあたしに気遣って返事してくれたから嬉しい。
なんて、今まで冷たかったぶんちょっとした事にいちいち感動してしまう単純なあたし。
いいもん!
単純でも何でも幸せなんだから……。
そう、あたしは今幸せなんだ。
勇人がそばに居てくれるだけで、こんなにもあたたかいから。