くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「だから、言ったろ? おまえら根性ナシってな。帰ってお母ちゃんの乳でももらってな」


「うわああ! やめてくれえ!!」


スキンヘッドが顔に手をやって苦しんでる。


ざまあ見ろとも思うけど、いくら何でもやりすぎだよ!


と思った刹那――


あたしは目を疑った。


雨はどしゃ降りだったけど、雨粒に霞む野島の姿が淡く青白く輝き始めたのが見えたから。


目をこすったり頬をつねってみたけど、確かに野島は光ってた。


け、蛍光塗料でも塗ったとか!?


そんなアホな考えはともかく、その光は徐々にかたちを成し、細長い光となって野島に絡みついてるように見えた。


それは、蛇にも見えたけど、もっと違う生き物に見えるような気がしてならない。





そう、それはまるで――。




スキンヘッドのうめき声であたしはハッと現実に返ると、野島の目が紅く輝いていた。


灼熱の焔のように、燃え盛ってた。


憎しみに呼応したように。


「やめて、野島くん!!」


スキンヘッドの命が危ないと悟ったあたしは無我夢中で叫んでた。
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