くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
龍神さまが赤ちゃんに託したものをよく見たら……それを認めた刹那、ドクンと心臓が跳ねた。
淡い桜色の貝殻に似た形で半透明に透けた人差し指の爪くらいの大きさの物。
……間違いないよ。
あたしが十年間肌身離さずに持ってるんだから、見間違えるはずがない。
あれは、曾おばあちゃんがくれたペンダントの……。
なぜ?
どうしてあたしの手に、龍神さまから贈られたそれがあるの?
頭がパニクってるあたしに、龍神さまの声が響いた。
『我が御子よ……再び我が身と瑠璃がめぐり合えるまで、子々孫々その血脈が途絶えぬよう、我が如意宝珠を与えよう。瑠璃と我の子よ、そなたらに永遠の幸あらんことを』
如意宝珠!
勇人が言ってた龍神の手になかったもの。
龍神さまが自分の子に与えてたなら、そりゃあないわけだ。
だけど、我が子々孫々に与えようって言ってた。
そして、あたしのペンダントはその如意宝珠に似てて、最近はたびたび不思議な事が起きた。
そこまで思い至った時、あたしの予感は確信に変わった。
まさか……
まさか曾おばあちゃんの血筋って……。