くるうみ。～あなたと過ごした３日間～

なんて憎まれ口を叩くあたしの頭を勇人はポカンと殴る。


「いったあい！ なにすんのよ！！」


あたしが頬を膨らませながら抗議すると、勇人はニヤリと笑う。


「あはは、相変わらず瑠璃香のカオフグみてぇ。 まん丸でパンパン……いでっ！」


憎たらしいその口を、あたしは洗濯鋏で挟んでやった。


勇人の唇がアヒルみたいに伸びて赤いから、あたしは思いっきり笑い返した。


「あはは！ 勇人アヒルみたいでかわいいって！」


挟まれた痛みからか涙を浮かべた勇人が洗濯鋏を手にすると、いきなりあたしに襲いかかった。


「こらあ！ おまえもアヒルにしちゃるぞ！！」


「きゃあ、ご勘弁を！！」


逃げようと思ったんだけど、足元の布団に足を取られて勇人と一緒にもつれるように倒れ込んだ。


気がついたら、勇人があたしを庇ったのか抱きかかえられてたけど……。


間近に勇人の端正な顔があって心臓が狂いだした。


勇人はあたしを抱きしめたまま、小さな声でポツリと呟く。



「……マジで子ども、作るか？」