くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
クス、と野島が小さく笑った。


「そっか……サンキュ」


そう言って彼は手をふわりとあたしの頭に置き、優しく撫でてくれた。


「む~~あたしお子さまじゃないもん!」


それがどうにも子ども扱いしてるように見えて、あたしはぷうっとむくれた。


「あはは、鈴本の顔フグみてえ。そっくり!」


「ふ、フグ~~!?」


あたしの脳裏に風船並みにパンパンと体を膨らませたトラフグの姿が浮かんだ。


「失礼ねえ! 誰がフグよおっ!」


憤ったあたしが手近な石ころを投げると、野島は軽々とよけてくれる。


もちろん不良連中を軽くあしらった野島にあたしの投げた石ころが当たるなんて思わないけど、何かしてやらないと気が済まない。


あたしの気にしてる丸顔をフグと喩えた小憎らしい目の前のオトコに!


あたしが意地になって石を投げたけど、手近な石がなくなったから立ち上がろうとして、左足を痛めてたのを思い出しても時すでに遅し。


体重をかけた左足首に激痛が走り、バランスを崩したあたしの体は倒れかけた。
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