くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
勇人は待ってろ、と言ってあたしを残したまま森の中に消えた。


1人になってふう、と息を着くと途端に心細さを感じて周りを見渡した。


周りは木と岩と崖しか見えないし、ぽつんと取り残された感覚に陥って軽くパニクってきた。


そんな事はないんだけど、この島にあたしだけ取り残されたような。


いつもならここで誰かを呼んだり追いかけたりするけど、あたしはぐっと我慢した。


勇人も頑張ってるんだから、あたしが彼の負担になっちゃいけない。


むしろあたしも役に立つように努力しなきゃ!


がくがくと震える足を叱りつけながら立ち上がると、何かないかと探してみることにした。


滝さえ見失わなきゃ多少離れても戻れる、と信じてゴツゴツした岩場に挑戦する。


岩を積み上げて作り上げたようないびつな岩壁は不安定でよく足元も手元もぐらついたし、湿って滑りやすい。滑り落ちるたびに肌に擦り傷が出来たけど、その向こうに何があるか確かめたくて頑張った。


高さ5メートルはある岩壁を登りきった後、見えてきたのは蒼く広がる大海原だった。
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