くるうみ。～あなたと過ごした３日間～
そう……そうなんだ。


あたしは改めて自分の気持ちに気付いた。


あたしは……


あたしは勇人が好きなんだ。


野島勇人という男性を好きになった。


……今まで認めたくなかったのかもしれない。


明石先輩に振られてそんなに経たないのに、また別の男の子をこんな短時間で好きになってしまった事が。


あたしの初恋は明石先輩だったけど、決定的に振られてまだ半月位だし、その間に勇人が関わってたから、もしかしたらあたしは明石先輩に憧れながら同時に勇人に惹かれてたのかも。


あたしって多情で惚れっぽい人間なのかもしれない、なんて心配になる。


だけど、大丈夫！


あたしはもう勇人しか要らないんだから。


勇人以外誰も好きにならない。


ううん、違う。


きっと誰も好きになれない。


それ位にあたしは心身で勇人に囚われてる。


明石先輩の時は憧れと理想だけで恋した感じだけど、勇人と一緒にいると彼をもっと知りたい、彼をあたしのものにしたいって欲求が燃え盛ってた。


だから、彼に近づく女の子に嫉妬してたんだな、と今更気付いた。


勇人への想いは熱くて激しい。制御できるか怖くなる。
< 271 / 305 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop