くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
よし、これ位かな。


松の木があって思ったよりたくさんの小枝が拾えたから、それを抱えて苦労しながら洞窟に戻ると、なんと勇人が先に戻ってただけじゃなく、斧を振るって薪割りまでしてた。


「よ、おかえりー。ご苦労さん、けっこう頑張ったじゃん」


勇人が拳で汗を拭いながら言うから、あたしはドキッと胸が鳴って幸せを感じた。


おかえりなんて、なんか新婚さんみたいで嬉しいな。


ううん、これからたくさんたくさん言ってもらうし言ってあげるんだ。


勇人の割った薪の横に小枝を置こうとしたら注意された。


「洞窟の中の湿ってない場所に置いとけよ。乾燥させないと燃えにくいからな」


「ん、わかった」


勇人の言うことは正しいから、あたしは素直に従える。


洞窟の中に入って勇人の言った通りの条件の場所を探し当てて小枝を広げて並べた。こうすれば早く乾くでしょ。


勇人の薪割りを手伝って小枝と同じように並べると、すっかり日が暮れたのかだいぶ暗くなってきた。


「それじゃあ夜が来る前に晩飯と朝飯を調達すっか」


勇人のひとことで浅瀬に向かう。
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