くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
晩ご飯は勇人が穫ってきてくれた魚を丸焼きにしていただいた。
「くるうみも明日で終わりだな」
ポツリと勇人が言い、あたしは熱々の魚を頬張りながらそうだねと答えた。
「俺、本当に愉しかった。幸せだった……ありがとう、瑠璃香」
勇人がそう言ったのはあくまで自然な調子だったから、あたしもどう致しましてと答えた。
「あたしも幸せだったよ、ありがとう勇人。
だけどまだ気が早い! 明日も残ってんだから」
あたしが焼けた魚を突き出しながら言うと、勇人はそうだなと小さく笑ってそれを手に取った。
あたし達は、襲いくる運命とそれぞれ必死に戦ってたんだ。
微かな可能性を信じて見えない明日を切り開くために。
……本当に、最後まで頑張った。