くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「うっうっ……なんで言っちゃったのかわかんないよぉ……自分のバカバカぁ」
「瑠璃香(るりか)そんなに泣かないの、ほら、ティッシュ」
「ありがとー亜美(あみ)。ぢ~~ん」
部活動が終わった午後6時過ぎ、あたしはげた箱がある裏口で待ち合わせた親友の望月亜美(もちづき あみ)に泣きついてた。
亜美はあたしと違って文芸部に所属してて、文章を書くのが好き。
あたしが美術部に入部したのは明石先輩が目的だったから、もともと絵が得意なわけじゃなくって、はっきり言えば下手っぴぃ。
まあ、そんな邪な動機があって入部したわけで、最初は人前でデッサンを取る練習すら気が進まなかったけど。
明石先輩のわかりやすい指導とアドバイスのお陰で少しずつ上達し、今は下手なりに描くことが好きになってた。
そんな事もあってもうしばらくは今のままでいたかったのに、あたしは自分からそれを壊してしまったんだ。
もう、恥ずかしいし情けないし、あの場から逃げたい衝動に勝つのは大変だったけど、なんとか踏みとどまって部活動を終わらせた。
で、先輩に挨拶するのもそこそこに裏口を目指し、亜美に泣きついて今に至るわけ。