くるうみ。~あなたと過ごした3日間~

~家族






「まあまあ、瑠璃香を助けてくれてありがとう。ずはお風呂に入って。それからぜひお夕食も召し上がっていってちょうだいね」


お母さんは世話好きな性格を早速発揮して、野島の着替えにとお父さんのシャツとズボンを持ち出してた。


「ありがとうございます、では遠慮なく」


野島も野島でお母さんの好意に甘えたし。


なんでこうなるのよおっ!?
とあたしは頭を抱えたくなる。




野島が不良達からあたしを助けてペンダントを取り戻し、おまけに怪我したあたしを背負ってわざわざ家まで送ってくれた。


聴くだけなら十分に恩義を受けてるし、実際そうなんだけど……自分で寄ってきなよと言い出しながら、あたしは猛烈に後悔してる。


お父さんも早めに帰ってきたから、お母さんとおばあちゃんとおじいちゃんも含めたみんなに事情を話したんだけど、その時確かに野島の助けは大いに活用させてもらいましたよ。


だけど……


お母さん。


なんでよりによって……


「明日土曜日でしょ、泊まってきなさいな」

って話しになるんですかっ!?


うちの家族はめちゃくちゃ解放的でフレンドリーだけど、こういう時は恨みたくなる。
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