くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
第2話 近づく距離
~待ち合わせ
日曜日のお昼前、あたしはなぜか商店街のアーケード入り口に立っていた。
それも、野島勇人を待つために。
このために親友の亜美からの誘いも断らなくっちゃならなかったんだから。
……せっかくの日曜日なのにぃ。ちくせう。
あたしは心の中で恨み節を炸裂させたけど、一番目は野島勇人に、二番目にはうちの両親にだった。
事の起こりは1日前にさかのぼる。
あたしの家に泊まった野島をもてなしたうちの家族は、帰らないとと言うやつの言葉に渋々と帰す事にした。
んで、あたしに送れと誰もが言う。
一応怪我人なんですけど、というあたしの言葉も右から左に聞き流されたし。
仕方ないから前に誰かが怪我した時に使った松葉杖を物置から引っ張り出して、慣れない杖を突きながら送る羽目になった。
これだけであたしには十分にダメージなんだけど、野島があたしの進むペースに合わせてゆっくり歩いてくれたと気付いた時、あたしの中には言い知れない感情が湧き上がった。
暖かくて穏やかなもの。
それはあたしの中でなんと呼んでいいのかわからないけれど、少なくとも不愉快な感じはしなかった。