くるうみ。~あなたと過ごした3日間~


好きな人の彼女になる女性と、仲良くなんかできるはずないよ。


だけど、きっぱりと言えない弱い自分。


もしもあたしがもう少し強ければ、きっとライバル宣言までしたと思うけど、そこまでしても何を得られるんだろう。


ひとりで先走って恥をかくだけだけど、きっと気持ちいいくらい恋に夢中になれると思う。


うらやましい……もっと自分に自信を持って、晴れやかにあなたが好きと堂々と言いたかった。


だけど、あたしのこの想いはもう……。


美紀さんと握手を交わした時、涙が出そうだった。


この恋とさよならな気がして、悲しくて寂しくて。


いっそこうして先輩の想い人が知られて良かったかもしれない。


こんな完全なオトナの女性に、自分がかなうはずないって解ったから。


……諦められる。


これで諦められるよ。


こんな素敵なひとがいるなら、あたしに目を向けないのも当たり前だもん。


きっぱりと忘れられなくても、少しずつ忘れていけばいい。


次の恋が出来るまで時々切なくて胸が痛むだろうし、泣きたい時もあるだろうけど、少しずつ自分に自信が持てるように努力しよう。


次に恋するステキな人に顔を上げて好きと言えるように。
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