くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
「ふ~~ん」


野島はなぜかあたしをじろじろ見てるから、あたしは
「なによ、おかしかったら笑えば!」
と言いながらツンとそっぽを向いた。


「いや、おかしくねえ。つか、かわいいじゃん」


野島の口から意外な言葉が出て、ぽかんとしてやつの顔を見上げれば、微笑みにぶつかって鼓動がおかしくなった。


「ば、バカ!お世辞言ってもなにもでないからね!」


「いや、冗談ぬきにかわいいって」


野島はマジな様子で言う。


不整脈に頻脈に動悸息切れめまい。


顔も火照るのは熱でしょうか?


野島の顔がなんでかまともに見れない……。


「ってか孫にも衣装ってやつ?同じ着るなら他人より孫がかわいい……」


野島の言葉にカチン、ときたあたし。


「アホ~~! それを言うなら『馬子にも衣装』だろがっ!だいたいあたしはあんたの孫じゃない!」


思わず手にしてたハンドバッグで野島をど突いてた。


「いてえ! 何も殴るこたないだろ」


「あんたがアホすぎるから、こうして刺激を与えた方が活発化していいんじゃないの!?」


ぎゃあぎゃあケンカしてるあたしたちに、美紀さんが割って入った。


「まあまあ、ケンカするほど仲がいいっていうけど、ほどほどにしなさいな」
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