くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
……情けなくて惨めで……今まで堪えてきたものがとめどなく溢れた。
容姿のことで散々バカにされたりしてきたけど、突っ張って言い返してきたけど、やっぱりこんなあたしが何をしてもみっともないだけなんだな。
そんな実感が胸に迫り、あたしは目に手を当ててしゃくりあげた。
「な、何も泣くことないだろ!」
焦った野島の声が聴こえてきたけど、あたしはやつに遠慮して涙を止める気はない。
だけど……
いきなり腕を掴まれたと思うと、グイと体が引っ張られる。
「ちょ……痛い! 離してよぉ!」
あたしの抗議も聞く耳持たぬな様子の野島は、商店街のアーケードをどんどん進み、ひとつの店の前で足を止めた。
それは、道沿いにベンチを出してその場で飲食できる軽食屋。
たこ焼きや焼きそばなんかがあるけど、野島はそこでふたことみこと話すと、店にいたおばちゃんは冷蔵庫からオレンジを取り出し、その場で搾ってそれに炭酸水を足し、アイスを載せてこちらに差し出したから、思わず受け取る。
野島が無言であたしに飲めよと促したから、渋々口をつけたら、今まで飲んだコトがない味覚に目を見開いた。