くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
だけど、あたしのそんな思いは子どもっぽいわがままに過ぎないんだ……。





あたし達は美紀さんの提案で、ひとまず小さな雑貨店にやって来た。


あたしも小さいころからよく利用してる家族経営のお店で、もちろん店員さんとは顔なじみ。


雑貨店とは言っても品揃えはなかなか侮れない。
なにせ駄菓子からアクセサリーから日用品、果ては怪しげな外国産土産や、なぜかおたべやもみじまんじゅうや服までが10畳間くらいの店内に所狭しと置いてあるんだから。


「あらあ、瑠璃ちゃん久しぶり。今日は何を見に来たの?」


お店番をしてるらしいキミコおばちゃんが訊ねてきたから、あたしは正直に事情を話そうか迷った。


野島が我が家の居候になるなんて恥ずかしいけど、一応礼儀としてお知らせする方がいい、とあたしはかいつまんで事情を話し、今日はそのための買い物に来たんだと話したら……。


案の定、数秒後にはキミコおばちゃんもメガネをずらしながら涙を拭いてた。


「そうかい……若いのに苦労したんだねえ、あんた」


キミコおばちゃんはそう言うと、店から家に通じるドアを潜り抜けて奥に引っ込んだと思うと、風呂敷に包まれたものを手に戻ってきた。
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