くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
これはどういう事なの?
戸惑いながら木彫りの龍の前でペンダントにジッと見入ってると、後ろから野島の声が聞こえてきたけど、その声音はかなり困惑が含まれてた。
「おい、鈴本。その龍の体光ってねえ?」
……え?
野島の指摘で改めて龍を下から見上げてみた。
すると……
確かに龍の体が光っていた。
光るとはいっても、蛍光灯みたいな眩い明るさじゃなくて、月の光よりも仄かな光。淡いっていうのかな。蛍光塗料を塗ったみたいな感じ。
……淡い……光。
あたし……この光をどこかで見た!?
目を見開きながらよく観察してると、野島がいつの間にか隣にやって来て一緒に龍を見上げた。
「鈴本も見えるか? 光ってるとこ」
「うん、体全体……ウロコが特に光ってるよね」
あたしが答えると、カメラを構えた美紀さんが訝しげな声であたしたちに疑問を投げかけてきた。
「龍が光ってるって……私にはそう見えないわよ。むしろ影が濃すぎて見えにくいくらい。私が焚いたフラッシュが反射しただけじゃないかしら?ね、透。あなたはどう見える?」
美紀さんが話を振ると、明石先輩はちゃぶ台から立ち上がってあたしの隣に歩いてきた。