くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
知らない歌詞……
だけど、懐かしいなと感じる。
その伸びやかな韻があたしを捉えて離さない。
『……り……』
……え?
『……るり……』
るり?
『……起きなさい……るり』
るり……誰のこと?
まさか、あたしじゃないよね?
『るり……――さまが来るわよ』
誰? 誰が誰のところへ行くの?
『今宵で三日夜なのよ――おふみに……さい』
なに――……
……っ!!
パン、と頬に鋭い痛みが走って視界に美紀さんの顔が見えた。
「瑠璃ちゃん、大丈夫!?」
「あ……あれ?」
痛む頬に手をやって周りを見渡してみても、もとの部屋と何ひとつ変わらない。
「こっちも大丈夫なようだ」
明石先輩の声がしたからそちらを向けば、野島が腫れた頬をさすりながらぶつぶつ言いつつ起き上がった。
「……ってぇ。何も殴んなくてもいいじゃんか」
「済まないな、揺すったりしても気付かなかったから」
明石先輩は野島の傍らで謝ってたけど、あたしだけじゃなくヤツまでおかしかったってこと?