くるうみ。~あなたと過ごした3日間~
キミコおばちゃんの雑貨屋は本当に何でもありで、幸運を招く石、いわゆるパワーストーンなんかも置いてある。


野島は迷わずそのコーナーに行くと、色とりどりの石を見始めた。


あたしもそういったのは嫌いじゃないから、野島の反対側からそれを眺めてみる。


ベーシックな無色透明の水晶、クリスタル。


淡い水色のアクアマリン。


黄金色の中に古代が詰まった琥珀。


ピンク色が可愛い紅水晶ローズクォーツ。


鮮やかな群青色に金色の星を散りばめたようなラピスラズリ。


マラカイトにペリドット、トパーズにトルコ石。

その他色んなパワーストーンが所狭しと並べられてた。


あたしは昔からこういった神秘的な物には興味があって、小学校の時にはお小遣いをはたいてここにあるパワーストーンをあつめたりしたっけ。


だけど、なぜかいつもものの数日でなくすから、いつの間にかパワーストーンを集めるのを止めたんだっけ。


こういうものをそばに置くと落ち着くなあ……。


「鈴本、ピンときたのはあるか?」


ぼんやり石を見てただけのあたしは、野島に訊かれてもただ首を横に振るだけ。


なんかまったりし過ぎて首を動かすのも億劫になったし。
< 87 / 305 >

この作品をシェア

pagetop