予言と未来
☆
「うおっ!!」
リンと名乗った少女の攻撃を、ウィンは擦れ擦れで避ける。
「……あぁ……危なっかしい……。」
愛光の隣で、リホが呟いた。
「何て ゆうか……リーと比べて、ウィンの戦いって がさつだね?」
愛光が言うと、リホは こくこくと頷いた。
「そうなんですよ。攻撃は最大の防御って言いますけど、やっぱり攻撃だけに走ってちゃ不利なんです。」
リホの瞳に心配そうな光が見えて、愛光は内心ほっとした。先程ウィンに毒を吐いたリホも、やはり彼女の事を大切に思っているのだと解ったから。
(喧嘩する程 仲が良いって言うしね。)
見た感じ、ウィンは力任せな攻撃が多い。対するリンは、ウィンが移動する位置を予想して攻撃する等、理知的な戦い方だ。
「……あれ? でもさ、ウィンの方が優勢じゃない?」
愛光の言葉に、リホは え? と首を傾げる。
「だってさ、相手の女の子、息切れして来てるよ?」
見れば、ウィンの方が走り回ったり飛び回ったり、沢山 動いているのに、一歩も動いていない相手の方が、疲れを見せ始めている。
やがて彼女は、その場に ぺたんと座り込み、リタイアを示した。
「……ウィン、持ち前の元気と体力で、押し切りましたね……。」
「えぇ~? そんなんで勝っちゃうとか在りなの~?」
「ライネスと戦うとか言ってましたけど、こんなんじゃ、この先が心配ですね……。」
溜め息を つく愛光とリホ。
「うちは ああゆう戦い方 格好良いと思うよ~?」
レイムは のほほんと笑っていた。