予言と未来
「おっしゃー勝って来たぜー!!」
笑顔で戻って来たウィンに、リホが苦笑する。
「あんな戦い方じゃ、この先 苦労しますよ。」
「解ってるって。今 改善中。」
笑顔を浮かべて会話するリホとウィンに、先程の会話を引き摺っている様子は微塵も無い。
(良かった……。)
愛光達の旅は、悪魔と死闘を するかも知れない、危険なものだ。そんな旅を するのだから、少しでも楽しんだ方が良い。仲良くしていた方が良い。
大変な戦いの時、仲が悪かったら どうなってしまうか解らない。
(……だからこそ、ライネスとも仲良くしなきゃ いけないんだけどね~……。)
肝心の彼が あんな態度では、仲良く出来る筈が無い。
「あれ~? ウィンお姉ちゃん、もう終わっちゃったの~?」
噂を すれば、帰って来たリーの後ろに、いつもと変わらぬ無表情で、ライネスは立っていた。
「おう! 勝ったぜ!」
リーに向かってvサインを するウィン。
「じゃ、私これの次の試合なんで、控え室 行きますね。」
「あ、じゃあ私もリホの次だし行く。」
愛光はリホと並んで、控え室に向かった。