予言と未来
好き?
第4試合が終わり、リホが控え室からフィールドへ出て行く。
(……リホ、大丈夫かな?)
いつも おっとり喋っていて、平和主義な彼女が、戦うなんて事 出来るのだろうか。
其処で愛光は はっと我に返り、自分の頬を ぺちんと叩いた。
(ひ、人の心配してる場合じゃないって。私、全然 経験 無いんだから。)
初めて魔法を使ったライネスとの戦いは勝つ事が出来たけれど、あれはライネスが言うように、彼が手加減していてくれた事を、愛光は理解している。
(リーとかウィンの戦い見てたら解るよ。)
魔法だけではない。身体能力も必要なのだろう。
(う~ん……運動かぁ……。)
控え室の椅子に腰掛け、愛光は首を捻る。
(出来ない訳じゃないけど、得意って訳でもないんだよね。)
小学校から高校迄、体育の成績は常に4。どの競技でも そつなく熟す愛光に憧れる者は後を絶たなかったが、勉強と違い、誰よりも上手かった訳ではない。人並み以上には出来る、と言う程度だ。
(まー、悩んだって仕方無いよね。特訓せずに来ちゃった私が悪いもん。)
何とか なるや精神で来てしまうのは、両親を喪ってからの悪い癖だ。
(でも……。)
愛光は仲間達が居るであろう、観客席の方を見遣る。