予言と未来
「おい、人間。」
「……何よ。」
愛光は一瞬、自分が呼ばれているのだとは気付かなかった。
「お前達 人間は、どいつも こいつも お前みたいなのかよ?」
「……さぁ、私 良く変わってるって言われるし。」
「そうか。」
ライネスは愛光を睨んだ。
「……世の中にはさ、口に出して良い事と、悪い事が在るんだぜ? お前が来てから、最悪だ。」
そう言って くるりと踵を返し、ライネスは愛光達から離れて行く。
「そうやって言いたい事だけ言って逃げるとか、卑怯だよ。」
その背中に向かって愛光が言葉を投げ付ける。
その背中が ぴくりと動いたように見えたのは。
彼女の、見間違いだったのだろうか。