予言と未来



1回戦を勝ち抜いた愛光、ライネス、リホ、ウィンは2回戦へと進んだ。



ウィンもライネスも順調に勝ち上がったが、リホと当たった愛光は、彼女の魔法に呆気無く倒され、そのリホも準決勝でライネスと当たり、彼に敗れた。



決勝の舞台に立ったのは、ウィンとライネスだった。



決勝は翌日 行うと言う事で、愛光達は一端 宿に戻る事に なった。



「よっしゃー!! 明日は いよいよライネスとだな!」



「リホ、五月蝿い。」



宿迄の帰り道、騒ぐウィンにレイムが声を掛けるが、彼女は全く気にしていないようだ。



「だってさ、漸く あの仏頂面を叩きのめせるんだぜ!? これ程 楽しみな事が在るかよ!?」



「ウィン、良く本人を目の前にして、仏頂面とか言えるよね。」



愛光は苦笑してしまう。



後ろを振り返れば、確かにウィンの言う通り、彼は仏頂面なのだが。



「……俺は全然 楽しみじゃない。」



ちっと舌打ちを しつつ、ライネスが ぼやく。



「あっそう。別に楽しみに してなくて良いぜ? 明日お前は泣く事に なるんだからな!」



「……その言葉、そっくり そのまま返してやる。」



ライネスの頬が ぴくぴくと引き攣っているのを見て、愛光は笑ってしまう。



「……笑うな。」



「だって。ライネスってばウィンの事 意識し過ぎ。」



「五月蝿い、人間。」

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