予言と未来
「ライネスだよっ。」
「ぎゃーーーーっ!!」
「五月蝿いっ!!」
ウィンの悲鳴が隣の部屋迄 響いたのだろうか。
僅かに くぐもったライネスの声と共に、何かが壁に当たる音が した。
「ちょ、ライネスお兄ちゃん! 物 投げちゃ駄目だってば!」
隣の部屋からライネスを窘めるリーの声が聞こえて来て、愛光とリホは顔を見合わせて苦笑した。そして再び恋話へと戻る。
「え、ウィンもライネスが好きなの?」
「当ったり前じゃん! じゃなきゃリホの試合の時に、好きな人 訊いたりしないでしょ!」
「くっそう……。」
ウィンは悔しそうに床に突っ伏している。
「えええ そんな事 訊いてたんですか!!」
リホが驚いて訊き返す。
「今ん所 好きな奴は居ないってさ。」
「そう、ですか……。」
ウィンの言葉を訊いてリホは俯いたが、直ぐに顔を上げると にっこり笑った。
「それならアイカさん、ウィン。今日からライバルですね!」
「え、だからリホ、私 告らないって……。」
「アイカさん。」
リホの真剣な瞳が愛光を射た。