予言と未来
「何もアイカさんが人界に帰るって決まってる訳じゃないですよ?」
「え?」
「勿論、人界にはアイカさんの大切な人が居ると思います。でも、この戦いが終わっても、必ず帰らなければ いけないと言う決まりは在りません。好きな人と ずっと一緒に居る為に、空界に残ると言う選択肢も在ります。だからね、一概に無理と決めつけて、諦めては いけませんよ。」
リホの言葉に、愛光は驚いて口を開けた。
「え、残っても良いの?」
「はい。本当は空界は人界とは関わらない決まりですけど、アイカさんは既に空界の存在を知ってしまった訳ですし。」
「なら……私、空界に残りたいな……。」
「人界に大切な人は居ないんですか?」
リホの質問に、愛光の脳裏に蘇るのは。
ポニーテールが良く似合う友達――だった子。
「……うん、居ないよ。」
首を横に振って それを消し、愛光は小さく笑った。
「……まだ時間は在りますから、ゆっくり決めれば良いんじゃないですか?」
リホの言葉に、愛光は小さく頷いた。
「それじゃ、これからライバルですね! 誰がライネスを1番に落とすか、勝負ですよ!」
「落とすって何だよ?」
リホの言葉に苦笑しながら、愛光とウィンは、彼女が伸ばした拳に、自分達の拳を当てた。