予言と未来
予言の真実
とぼとぼと歩き、仲間の元へ戻ると、皆は慌てて駆け寄って来た。
それは そうだ。ヴィルと戦って、一方的に攻撃されて、怪我を しているのだから。
「アイカ!? 大丈夫!?」
真っ先に駆け寄って来てくれたウィンに しがみ付き、愛光は声を上げて泣いた。
必ずライネスを連れて来ると、ルーヴに約束したのに、自分が弱いばっかりに、彼は地界へ連れて行かれてしまった。
一頻り泣いた後、愛光は皆に、ヴィルと言う悪魔に襲われた事、10年前ライネスが悪魔を召喚した事、彼が自分を護って地界に連れて行かれた事を話した。
皆は無言だった。
それは そうだろう。ライネスは皆にとって、大切な仲間に なりつつあった。しかし、彼が予言が現実に なる事の原因を作ったのだから。
彼が居なければ、リー、レイム、ルーヴが家族を喪う事も、天界と空界が悪魔に襲われる事も、皆が危険に さらされながら戦う事も、無かったのだから。
長く続いた沈黙を破ったのは、リホだった。
「……皆、一端 村へ帰りましょう。」
「村へ?」
「はい。先程ウィロアと言う悪魔が言っていた、予言の続きを、お聞かせします。その上で、大爺様と相談し、これからの事を考えましょう。」
他に打開策も無い為、リホの提案に皆は同意した。