予言と未来
旅立ち
翌日の昼休み、トイレに行った愛光を待っていた友美の元に、彼女は やって来た。
高嶺 美雪だ。
ちょっと良いかしら、と髪を手で払う彼女に、友美は ぎくりと躰を強張らせた。元々 人見知りだし、美雪のような上に立つ人は苦手だった。
「……何ですか?」
おどおどと口を開くと、美雪の取り巻き達が友美を囲った。
「愛光の事なんだけど。」
美雪の瞳には、楽しそうな光が煌めいている。
「あたしね、あいつ気に入らないの。だからクラスの皆で無視しようって話に なって。愛光の唯一の友達である貴方も、勿論やるわよね? このクラスの一員ですもの。」
友美は驚いて、何も言えなかった。
愛光を無視する?クラス皆で?
「……ちょ、ちょっと待って下さい……貴方が気に入らないってゆう理由だけで無視なんて、おかしくないですか?」
何で私、クラスメートに対して敬語なんだろう、なんて事を考えながら、友美は慌てて抗議した。
すると美雪は、ふてぶてしい顔で友美を睨んで来た。
「あいつが気に入らないのは、あたしだけじゃないわ。皆、あいつは協調性 無いって言ってるし。」
「……それは、そうですけど……。」
友美が尚も言い募ろうと口を開くと、美雪は友美の机を、ばんっと叩いた。