予言と未来
「兎に角! あんたが あいつ無視しなきゃ、皆あんたを無視するから!」
(…………え?)
美雪の言葉に、友美は愕然と する。
(……これって……明らかに いじめだし……。)
――クラスメートに無視されても、愛光が居てくれれば大丈夫。
そう必死に言い聞かせるが、迷っている自分に気付く。
(……何で、迷ってるの? 私、愛光の事、親友だって思ってた筈なのに……。)
訳が解らなくなって、唇を ぎゅっと噛み締めた時、愛光が教室に戻って来た。
友美が美雪達に囲まれているのを見て、一瞬 驚いたようだが、直ぐに つかつかと近付いて来た。
「友美? どうしたの?」
愛光に声を掛けられた友美の躰が、ぎくりと強張る。
(……此処で……。)
美雪が見ている今 此処で、愛光を無視しなければ、はぶかれるのは――私だ。
友美は ぎゅっと目を瞑ると、教室を飛び出した。
「あいつマジで無視したよ!?」
「思ってたより やるじゃん。」
美雪の取り巻き達が きゃははと声を上げて笑う。
美雪は ふんと鼻で笑った。
その光景に、愛光は微かに眉を顰めた。何が起こっているのか、何となく理解したのだ。