予言と未来
(……ああ……。)
ライネスの紅い瞳を見つめて、愛光は顔を歪めた。
苦しんでる。
大好きな彼が、こんなに苦しんでる。
(……私は、助けられなかったんだ……。)
――ライネスの、心を。
愛光は、ゆっくりと頷いた。それを見た皆が息を飲む。
「……良いよ。殺して。」
それで貴方が苦しむとしても。
「貴方が決めた事なら……。」
受け入れるよ。
だって、私には、貴方しか居ないから。
どうせ人界に帰っても、誰も必要としてくれないのだから……。
だったら、貴方が望むように。
「…………っ。」
ライネスは、ぐっと唇を噛んだ。
愛光が目を閉じた瞬間。
躰の上に在った体重が、消えた。