予言と未来
「修復、と言えば簡単だがな、やるのは大変だ。それよりも、結界を張り直す方が良い。」
そう、女神は提案した。
「具体的な方法は?」
「巫女、天使、其方等は小さな結界なら張れるであろう?」
女神の質問に、リホ、レイム、ルーヴが頷く。
「その結界を、愛光、グリフォン、ペガサスが使役する神霊の力を借りて、強く、強大な物に するのだ。大丈夫。其方等なら出来る。予言に選ばれし者達なのだから。」
原理なんて解らない。それでも、全身から この世ならざる者の気配を漂わせる女神の言葉は、愛光達に自信を持たせた。
「そして、その結界を張るのには、あるものが必要に なる。」
「それは?」
リホが訊くと、女神は途端に意地悪そうな顔付きに なった。
「古来から、何かを為す為には犠牲が付き物じゃろう?」
「まさか……。」
「そう、巫女が考えている通りじゃ。」
女神は、その綺麗な唇から、残忍な言葉を紡ぎ出す。
「生贄じゃ。」
その言葉に、全員が息を飲んだ。
唯1人、ライネスだけは、驚く様子も無く、女神を見つめていた。