予言と未来
「行くよ!」
愛光は両手から光玉(ライトボール)を飛ばす。ウィロアは それを、悪玉(イーヴィルボール)で相殺した。
「ライネスは どうしたのよ!?」
「彼なら諦めて降伏したよ!」
愛光が そう答えてウィロアを睨むと、彼女は ふんと鼻を鳴らした。
「弱い奴ね。もし負けたら自害するように言っておいたのに。」
「あんた達の為にライネスが死ぬ訳 無いでしょ!」
「そーだ そーだ!」
ウィンが愛光に同調しながら鎌鼬を飛ばす。それを避けつつ、ヴィルは笑った。
「お前達、解って言っているのか? 俺はライネスの父親だぞ。」
その言葉に、愛光達は一瞬フリーズする。
「あんたが……?」
「父親の為に命を捨てる事も出来ないのか。」
その馬鹿に したような言い方に、愛光は かちんと来た。
「何ですって!?」
全身に光の神霊を集め、輝く躰でヴィルに突進する。不意を突かれた彼は、僅かに目を見開いた。
「確かに、戦う理由に、“誰かの為に”は在って良いと思う! でも、それを自分の行動の言い訳に するのは間違ってる!」
愛光の手から放たれた光線(ビーム)が、ヴィルの腹を貫通した。